最近感じた、ラポールとWIN-WINについてお話したいと思います。
その前に、ラポールって何?と思われた方にご説明。
ラポール(Rapport)はフランス語で 懸け橋、互いに信頼しあう
という心理学用語で、自分が勉強しているNLP(神経言語プログラム)で最も重要な言葉の一つです。
WIN-WINとは自分と相手、双方に利益がある、どちらか片方が損をしない
という考え方です。
今月24日に亡くなられた、小出義雄氏は女子マラソン指導者として、高橋尚子(シドニー五輪マラソン金)有森裕子(バルセロナ五輪マラソン銀、アトランタ五輪マラソン銅)など、有名なランナーを指導したことでご存知のことでしょう。
また、今では当たり前に行われている高地トレーニングを、20年前から取り入れたのも小出氏が最初と言われています。
選手と指導者というのは、同じ目標に向かっていきますが、互いの信頼関係がなければどういうことが起こるでしょうか?当然、目標を勝ち取るのは難しいでしょう。
仮に勝ち取ったとしても、互いに目標達成は自分の功績として譲らず、関係はギクシャクしたものになるでしょう。選手は指導者の指導を「WIN」とし、指導者は選手を尊重して「WIN」で、こうして同じ目標に進めることでしょう。
小出氏は指導者として選手とのラポールを一番、重要視していたことが見て取れるエピソードがいくつもあることがわかりました。高橋尚子さんとのエピソードは特に有名です。
小出氏は高橋さんに対して毎日「お前はマラソンで世界一になれる!」と言っていたそうです。一回や数回なら言われた本人もその気にはならないでしょうけど、毎日、しかも本気でそんなことを言われたなら誰もがその気になりますよね。
また高橋さんがシドニー五輪で金メダルを取る前年、1999年の世界選手権を左足の故障で欠場した時に小出氏がかけた言葉は
「8合目までは山を登ってきたけど吹雪に遭って登れなくなった。ここは下山して、次はもっと大きな山を登らせてやるからな」
というものでした。欠場して気持ちが落ち込むタイミングで、そういう言葉を信頼している人にかけられたら、次こそは叶えられると思うことでしょう。事実、本当にそうなりました。
小出氏が選手の長所を伸ばすことが得意でしょう。また、高橋さんのマラソンランナーとしての素質や素直な性格なのは確かでしょう。
しかしそのどちらかだけでは、栄冠を勝ち取れたでしょうか?選手も指導者も互いを信頼してラポールを築き、互いの持つ能力を差し出してWIN―WINの関係だったから、栄冠を勝ち取れたと思います。
自分もラポールとWIN―WINという言葉を知ることができて、人間の関係性を少し深く掘り下げて見ることができるようになったと思います。気になったあなたものぞいてみませんか?
詳細はこちらから!
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小出氏が日本スポーツ、特に選手の指導面で多大な貢献をされたことの尊敬と、亡くなられたことの哀悼の意を込めて。