PPM分析について

こんにちは。ユーモアを暮らしの中に人生を楽しむタケッチです。

引き続きビジネスフレームワークの用語を10回に渡って紹介していきます。

ビジネスフレームワークとは、
経営戦略や業務改善、問題解決などビジネス上で
役立つ分析ツールや思考の枠組みのことです。

問題解決や意思決定を必要とするときに、漠然と考えていたのでは時間がかかるうえに
有効な手段や結果にたどり着けないことってありますよね。

フレームワークとは「枠組み」「骨組み」「構造」のことです。
要は検討すべき項目やポイントをパターンとして落としこんで考えるための枠組みです。

フレームワークにはさまざまなものがあります。
9回目の今回はPPM分析についてお話します。

 

目次

■PPM分析とは?

PPM分析とは、ボストン・コンサルティング・グループが1970年代に提唱した分析手法で、

「Product Portfolio Management(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」の略称です。

「市場成長率」と「市場占有率」の2軸からなる座標上で事業や製品、

サービスを分類することにより、経営資源の投資配分を判断するための手法です。

 

PPM分析における各象限は、

・花形(Star)
・金のなる木(Cash Cow)
・問題児(Problem Child)
・負け犬(Dog)

と呼ばれています。

自社の事業の将来性を把握するとともに、

競合企業との売上の格差を可視化することができます。

■PPM分析の4象限の意味

PPM分析における4象限のそれぞれの意味を見てみましょう。

●花形(Star)

花形は、市場成長率および市場占有率の両者ともに高い、

まさに「花形」と呼べる事業です。市場占有率が高いために利益を出しやすいものの、

市場成長率が高いために競争が激しい状態となっています。

市場での競争に打ち勝つためには、積極的な投資を継続することが望まれます。

●金のなる木(Cash Cow)

金のなる木は、市場成長率が低く新規参入も少なくなっているために

競争は穏やかになっていて、積極的な投資は必要とされません。

その一方で市場占有率が高いために安定した利益が出しやすい状態です。

したがって金のなる木に分類される事業から得られる利益は、

その事業へ再投資するのとともに、

花形や問題児の事業に振り分けていくことが必要とされるでしょう。

●問題児(Problem Child)

問題児は、市場成長率が高いために競争が激しく、積極的な投資が必要とされる一方、

市場占有率が低いために利益が出しにくい状態です。

ただし市場占有率を高められれば、

将来的に花形や金のなる木になる可能性があるといえます。

したがって問題児に分類される事業に対しては、

他の事業によって得られた余剰の資金を積極的に振り分けていくことが重要です。

●負け犬(Dog)

負け犬は、市場成長率が低いために投資は必要とされないかわり、

市場占有率が低いために利益も出ない状態です。

事業の成長が見込めないため、事業を整理し、

それによって余剰となった資金を花形や負け犬の事業に分配していくことが、

経営判断として適切である場合があります。

■PPM分析のメリットとデメリット

PPM分析を行うことによるメリットとデメリットを見てみましょう。

●PPM分析のメリット

PPM分析のメリットは、自社の各事業の立ち位置、

および自社の事業の競合他社との立ち位置を確認できることです。

それにより、経営資源の投資配分について優先順位をつけることが可能となり、

事業の強化や維持・撤退などの経営判断がしやすくなります。

●PPM分析のデメリット

PPM分析のデメリットは、限られた財務指標のみを使用して分析を行うため、

事業のさまざまな側面を汲み尽くしていないことです。

たとえばPPM分析では、生産面からの経験曲線などの指標に

ついてはまったく考慮されていません。各事業のシナジー効果も含まれません。

また財務指標のみにより分析を行うため、

新規事業の立ち上げなどには向いているとはいえません。

■PPM分析のやり方

PPM分析のやり方について見ていきましょう。分析のステップは、

  1. 市場成長率を算出する
  2. 市場占有率を算出する
  3. 自社の事業の立ち位置を把握する
  4. 競合他社と自社の立ち位置を把握する

となります。それぞれ見ていきましょう。

1. 市場成長率を算出する

市場成長率は、本年度の市場規模を昨年度の市場規模で割ることにより算出できます。

市場成長率 = 本年度の市場規模 / 昨年度の市場規模

市場規模のデータについては、公的機関やシンクタンクが発表している

統計データを利用することができます。

もし市場規模のデータが入手できない場合には、

自社の売上高を市場占有率で割ることにより推定(フェルミ推定)することもできます。

2. 市場占有率を算出する

市場占有率は、売上高を市場規模で割ることにより算出できます。

市場占有率 = 売上高 / 市場規模

ここで重要なのは、市場占有率については自社のものだけでなく、

競合他社のものも算出することです。

競合他社の売上高は、一部上場企業であれば有価証券報告書から拾うことができます。

また業界ごとの市場占有率が公開されているサイトも存在します。

3. 自社の事業の立ち位置を確認する

市場成長率と市場占有率を算出したら、

最初に自社の各事業についてPPM分析の座標に表示します。

これにより、自社の事業の立ち位置が確認できます。

4. 競合他社と自社の立ち位置を確認する

次に事業ごとに、自社と競合他社とをPPM分析の座標に表示します。

それにより、競合他社と自社との市場における立ち位置を確認することができます。

 

PPMの参考資料としてロジャーズのS字カーブグラフとの関係を以下に示します。

 

S字カーブとPPMカーブの併用で、製品や事業のライフサイクルが見える化できます。
販売数量、売上高、粗利でプロットすれば、傾向が把握でき、対策が具体化します。
一般的にはPPMカーブが右肩下がりになると、

競合との価格競争が激化して粗利率は急激に悪化します。

 

それぞれの意味としては以下です。

導入期:商品の認知度が低い。認知度を高める

成長期:商品の認知度が上がり売れ始める。商品の差別化を図る

成熟期:売上がピークを迎え、徐々に下がり始める。コスト削減などを行う

衰退期:売上が急速にさがっていく。商品を新しくするか撤退する

 

今回はPPM分析についてお話をしました。

これらはビジネスで戦略を立てる時など大いに役立ちます。
なのでこんなフレームワークあったなって感じで覚えておいてくださいね。

 

私がNLPを学ぶきっかけはこちら↓

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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