こんにちは。ユーモアを暮らしの中に人生を楽しむタケッチです。
引き続きビジネスフレームワークの用語を10回に渡って紹介していきます。
ビジネスフレームワークとは、
経営戦略や業務改善、問題解決などビジネス上で
役立つ分析ツールや思考の枠組みのことです。
問題解決や意思決定を必要とするときに、漠然と考えていたのでは時間がかかるうえに
有効な手段や結果にたどり着けないことってありますよね。
フレームワークとは「枠組み」「骨組み」「構造」のことです。
要は検討すべき項目やポイントをパターンとして落としこんで考えるための枠組みです。
フレームワークにはさまざまなものがあります。
3回目の今回はPEST分析についてお話します。
PEST分析はアメリカの著名な経済学者フィリップ・コトラーが、
自社業界を取り巻く外部要因を調査する手法として提唱しました。
コトラーは『コトラーの戦略的マーケティング』という著作の中で
「調査をせずに市場参入を試みるのは、
目が見えないのに市場参入をしようとするようなもの」
と説明しています。
自社業界のビジネスは政治、経済、社会、技術的といった
社会全体の変化や影響を受けます。
こうした自社を取り巻く外部環境要因のことを「マクロ環境」
といますが、PEST分析では中長期的に業界を囲むマクロ環境を把握し、
どの項目がどのくらい自社に影響を与えるか分析し
今後の営業戦略を決定していきます。
目次
PEST分析の目的
PEST分析の主な目的は以下になります
・将来の変化や事業に影響を与える要因を見落とさない
・外部環境の変化を敏感に察知して時流に乗り遅れない
・中長期的なマクロ環境を把握し常に仮説を立てて不測の事態に備える
・新たな環境下で素早く柔軟な立ち位置を築き競合の優位に立つ
言い換えるときちんとPEST分析を行っていないと
マクロ環境トレンドにうまくのれず、大企業でも破綻の可能性があるということです。
それではPEST分析のそれぞれの項目を解説します。
Politics(政治的環境要因)
政治や法律、税制の変化といった行政面から、市場環境を分析する。
■Politicsの項目
・法律、法改正、判例、規制緩和
・条約
・税制
・政治、政権体制などの動向
・公的補助、判例・規制緩和、助成
など
例)昨年10月消費税の引き上げが行われた時に経済の動向に大きな影響が出ましたね。
テレビや冷蔵庫などの大型家電や不動産物件など価格が大きいものは
購入額に大きな差がでてしまうため、駆け込み需要が起こりました。
消費税改正に向けた動きをしっかりと把握し、戦略を立案する必要があります。
Economic(経済的環境要因)
経済成長や景気、物価、株価や為替、経済成長率、原材料の価格変動など
経済の動向変化を分析する。
■Economicの項目
・景気動向
・賃金動向
・株価、為替、金利
・物価、消費動向
・経済成長率
・消費動向
など
例)PESTの構成要素の一つである「経済的環境要因」の需要と供給のバランスは、
価格に影響を与えます。例えば為替が円安にぶれると輸入食材を扱っている
食料品店や外食産業は仕入れ価格が高騰します。
景気動向、為替の変動に注視してリスクヘッジを行う戦略が必要になってきます。
Social(社会的環境要因)
人口や流行など生活者のライフスタイルの変化面から市場環境を分析する。
■Socialの項目
・人口、人口構成、密度
・社会インフラ
・流行、世論、事件
・高齢化、少子化
・言語、教育、宗教
など
例)社会的環境要因の一例として「少子化」があげられます。
少子化で学校など教育事業の市場は縮小するともみられますが、
一人当たりの教育費を手厚くする層を取り込むチャンスとも捉えることもできます。
他にも「単身世帯の増加」といったライフスタイルの変化もあります。
こうした変化を掴むことで、
一人分の惣菜を小分けにして販売する戦略を立てる食品業界も増えてきています。
社会的環境要因はそれほど変動のある項目ではありませんが
しっかり分析しておけば、需要の把握や喚起、ターゲット設定などがしやすくなります。
Technological(技術的環境要因)
技術の変化による影響を分析
■Technologicalの項目
・インフラ
・ビッグデータ
・IT、IoT技術
・新技術、開発
・特許
・イノベーション
など
例)IT技術の進歩は目覚ましく、これはマーケティング業界でも同様です。
マーケティングのIT化によって、
生活者の動きがデータとしてリアルタイムに可視化され、
リアルタイムでPDCA改善を行えるようになりました。
人々の生活にスマートフォンが浸透し、
ユーザーとの接点やブランディングも
こうした技術を前提として行われなければなりません。
イノベーションも活発で、
アイディア創出の流れは世界的にみても大きいものです。
次々生み出されるイノベーションや技術革新のペースに遅れることなく、
早い変化に柔軟に対応できる体制が必要になっています。
PEST分析のポイント
変化に注視しトレンドにのる
PEST分析で大切なのは常に「変化」に注視することです。
PESTで分析するマクロ環境の変化を掴むことで、世の中の変化や流れ、
トレンドを味方につけた商品開発や営業戦略をとって
大きなヒットを生み出す可能性も高まります。
自らの組織・商品を時代に即したものにして時流にのることで、
業界で生き残っていくことができるのです。
他のフレームワークへ落とし込む
PEST分析では自社にプラスやマイナスのインパクトを与え得る要因を整理し、
その影響度を評価します。これを経営戦略として活かすには、
関連する他のフレームワークとともにクロスさせながら
分析を活かしていく必要があります。
例えば「SWOT分析」というフレームワークがありますが、
SWOT分析では、組織を
「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」
「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の
4つの軸から評価する手法のことで次のような課題を解決していきます。
・どのように強みを活かすか?
・どのように弱みを克服するか?
・どのように機会を利用するか?
・どのように脅威を取り除く、または脅威から身を守るか?
SWOT分析における「機会(Opportunity)」や「脅威(Threat)」といったものは
マクロ的な要因に左右されることが多いので、
ここにPEST分析で得た分析と影響度を落とし込んでいきます。
SWOT分析については次回の記事でご紹介します。
今回はPEST分析についてお話をしました。
PEST分析はビジネスで戦略を立てる時など大いに役立ちます。
なのでPEST分析ってあったなって感じで覚えておいてくださいね。
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最後までお読みいただきありがとうございました。